17年1月/謹賀新年 新しい年のお米作りに関わる話題
謹賀新年
御家ご一同様のこの一年のご健康をお祈りします。【 PDF版 】
皆さまご家族お揃いで佳い新年をお迎え下さったことと存じます。
我が家は、家族7人元気に新しい年を迎えることができました。また、農薬や化学肥料を使わない安全で安心できるお米つくりが続けられているのは、我が農舎のお米をお食べ下さる皆さまのご支援のお陰です。年の初めにあたり、心よりお礼申し上げます。
ところで、この冬は早めに雪が来て、12月の中旬に除雪機を動かしましたが、クリスマス前には、その雪も一旦融けました。
長期予報では「この冬も余り大雪はない。」と報じられていますが、果たしてどうでしょうか。当るも八卦・・・当らないも予報。
私たち一家が、関西から900Km北上して秋田に移住した40年前頃は、毎年クリスマス前に降った雪は、春3月中頃まで融けることはなく、1月中頃から3月始めまでの2ヶ月の間に、太陽が顔を出すのは延べ数十時間。冬の間ほぼ毎日が「灰色の世界」。
また、当地は日本海沿岸部ですので積雪量50センチ程度ですが、最高気温は連日0℃以下、道路は常にアイスバーンで地吹雪が連日のように吹き荒れているのが普通でした。
でも、この数年来の冬は暖冬でほとんど雪がなく、雪国の私たちにとっては、なんだか淋しい気がするものです。
ところで、孫たちや冬に我がロッヂにおいで下さる皆さんに愉しんで頂だこうと、ヤフオクで古い小型のスノーモービルを数年前に手に入れ、一昨年には更にもう一台追加し、仕事の合間に整備しましたが、まだ本格的に乗り回す雪に出会えず残念です。
この年末年始も、東京からモービルを乗りにロッヂにおいで下さる子供連れの消費者の方の予約を受けており、雪が来るのを心待ちしているところです。興味のある方は、予めコンディションを電話でお問い合わせの上ご計画下さい。お待ちしております。
それでは、我が農舎へのご支援をお願いしながら、皆さまご一家のこの一年のご健康をお祈り致しております。
新しい年のお米作りに関わる話題2つ
=酉年に鳥インフルエンザの皮肉=
韓国から飛来する冬の渡り鳥が震源と推察される、高病原性鳥インフルエンザの発生が昨年の 11月頃から報告されるようになりました。
高病原性といっても人への影響は実際には、それほど心配するものではありませんが、鶏など家禽飼育場で発生すると、発生を食止めるため発生家禽舎はすべて殺処分となります。
直接の被害費は公費負担されるとはいえ、畜産農家にとっては大きな打撃です。
今回の発生で、今までに殺処分された家禽舎は北海道、青森県、新潟県、宮崎県の4道県のみですが、アヒル、鷹、フクロウなど鳥類の罹病が各地の動物園で確認され、全国の7割の動物園が年末現在で感染防止のため全面休園や鳥類舎の展示を休んでいるようです。
でも、一般の稲作農家には、何の影響もありませんが、我が農舎のようにカモやアイガモで草取りを行っている有機農家にとっては少し心配です。
除草に使うカモなどの導入は、暖かくインフルエンザも収まる時期ですが、その前に、山形県の親カモの飼育場が罹病すると、ヒナの手当てができません。
これだけは、どうしょうもありません。早い収束を願うばかりです。
=トランプさんとTPPで知ったこと=
民主党の菅さんがTPPの参加検討を唱えて以来、TPP賛否の議論は延々と続きましたが、昨年末の国会で自民党が強行採決したことで日本政府内での議論は一応終わりました。
しかし、その途中で、アメリカの大統領選挙において、TPPに対するアメリカの世論は否定的なものであるということを、私たち一般の日本人が始めて知ることとなりました。
この「始めて知った」ということに、驚愕すると共に、震えるような恐ろしさを覚えました。
TPPを推進した政治家も、官僚も共に、アメリカのこの状況を知りつつ、そのことを私たち国民に隠して政策を進めていたとは到底思えません。全く知らずに対応していたようです。
しかし、このようなことがあれば、今日の情報豊富な時代(と私は、勝手に思っていた)ジャーナリストや評論家、学者などからその指摘が当然あるはずだ(と私は、勝手に思っていた)。
でも、それもなかった。・・・今の新聞やTVも学者評論家も信ずるに足りないのです。
また、一般市民は難しい金融政策の知識はなく「知識豊かな専門家に任せるより他なし。大きな間違いは犯さないだろう。」と思っていた日銀の大胆なゼロ金利政策は、金融秩序まで破壊してほぼ破綻状態。 これも、前者のTPPと同じで、大胆に行っているのではなく、何の知識も能力もない人々が、単に無謀に振舞っていたに過ぎなかったようです。
トランプ氏は就任当日にTPP離脱を表明すると言っていますが、もし、そうなら年末の日本の国会承認は何の意味があるのでしょう。また、私たちの知る農政においては、一昨年からTPP対策としての予算がバラ撒かれています。どうするのでしょうね。
TPP対策の「強い日本農業」という謳い文句で、農産物の輸出を叫んでいますが、これも実現性は限定的なものに過ぎません。また、外国産価格に近づけるコスト低減の推進で、農薬化学肥料の大量使用が急速に進んでいます。これでは、国産農産物の価値を下げるだけのように思います。
「お上に政策あれば、民には対策あり」の諺のように、政策に振り回されない農業経営の確立に今年も更に取り組みたいと思います。どうぞご支援をお願いします。