16年12月/雨の中のブナ植えと先月の話題
この一年のご支援ありがとうございました。どうぞ佳い新年を! 【 PDF版 】
今年の稲刈り期間中は好い天気が続きましたが、終わったとたん天気は急に荒れ模様になりました。
11月3日の文化の日恒例のブナ植えは時折激しい暴風雨に見舞われ、今まで24回の中では一番の悪天候になりました。
11月はその後も雨の日が多く、11月20日前に、積雪するほどの雪ではありませんでしたが一時猛吹雪。
突然で早い冬の到来に驚きました。
また、勤労感謝の日前後には、東京など関東でも観測史上例のない時期の雪にTVなど賑やかでしたが、交通の乱れや怪我など皆さんに被害はなかったでしょうか、お見舞い申し上げます。
この時の当地は、数センチの積雪になりました。
今年は紅葉が遅く暖かいままでしたので、冬支度はまだ行っておらず、タイヤ交換や一面の雪原の中での田んぼの排水処理のためのスコップ作業に慌てました。
ところで、年末の切り餅やリンゴ、手作り味噌セットなどの予約注文ありがとうございました。
糀や大豆などの手作り味噌関係は、来春1月下旬からの発送になりますので、年末まで追加や数量変更可能です。
さて、今年も残り少なくなりましたが、この一年我が家は家族一同元気に過ごすことができました。これはひとえに我が農舎のお米作りにご支援下さっている皆様のお陰だと感謝しております。 年末にあたり心よりお礼を申し上げます。
これから、寒い時期に入り、また、年末の忙しい時期を迎えますがどうぞご自愛の上ご家族の皆さんお揃いで健康で素敵な新年をお迎えくださるようお祈りします。
雨の中のブナ植えと先月の話題。
表のページで少しふれましたが、今年のブナ植えは、週間天気予報でも大荒れの予想でした。
それでも前日から関東などからお泊りになる皆さんが集まってくださって、ロッヂで夕食懇親会を愉しく賑やかに行うことができました。
当日も、お泊り下さった皆さんは、早朝の豪雨の音で早起きせざるを得ないという悪天候でした。
この天候では「参加者もほとんどなく今年は中止せざるを得ないだろう。」「でもとりあえず現地までは行ってみよう。」と話しながらの朝食でした。
山の開会式の広場へ着くと、イガイや意外! 例年よりは少ないものの多くの人々がすでに集まっていました。
小雨の中の開会式を早めに切り上げ、栽植現場の山まで登り作業を始めましたが、豪雨で作業中断しながらの悪天候。でも、ブナは無事植え終えられました。
ブナ植えを始めて24年目ですが、初めの頃のこの時期の秋田の山は、落葉樹は一葉も残っておらず、寒々とした淋しさで、時には雪に滑りながらブナを植えた年もありました。しかし10年ほど前から年々暖かくなり紅葉が残っている年も多くなりました。中でも今年は、雨の中で紅葉は真っ盛り。
最近の「温暖化」を実感します。
ブナを植えた後は、過疎化で廃校になった麓の小学校の講堂で、フォークシンガーや子供合唱サークルの歌声など賑やかに昼食交流会を行いましたが、その頃には、豪雨も止み時折日差しが射していました。
昼食時のお餅、焼肉などを準備してくれたスタッフによると「今年は参加者が少なかったが、お肉やお餅は作っても作っても直ぐになくなった。人が少なかった分、皆さんよく働いてお腹が空いたようだ。」とのことでした。
ところで、話は変わりますが、先月の話題は「アメリカのトランプ氏勝利」と農業関係では「小泉ジュニア対自民党農林族の農協(全農)改革の対決」です。
トランプ氏勝利は、イギリスのEU離脱と同根で、新自由主義への不満と従来の経済システムの行き詰まり。
世界はすでに大きな転換期に入った表れなのでしょう。
こうした時、日本のアベノミクスやTPP政策、日銀の金融緩和など旧態依然の発想の諸政策では、いまや成算がないことを安倍さんや黒田さんを始めとした日本の指導者は早く自覚することが必要のように感じます。
実際アベノミクスの「財政出動」「金融緩和」「成長戦略」の3本の矢。未だに一つも何の効果も出ていません。彼らがこの現実を自覚し反省をしないなら、交代するリーダーが早く現れなければ、日本の近未来は拓かれないとつくづく思います。
一方の農協改革。小泉氏の主張は概ねは正しく、賛同できる点が多いように感じます。
それに対して、自民党農林族の反論や主張は、選挙時に世話になる農協組織の既得権益の専守を代弁しているだけで、日本の農業や農民のことはほとんど考えいないように感じます。
例えば、全農が行っている農産物の「販売委託を買い取り制に」という小泉主張に対しての反論は「買い取り制にすれば、売れ残れば困る。」と言う。
では、現状の販売委託制は「売れ残った農産物代金は支払わない。または、プール計算制と称して、売れ残りの損失額を全販売数量に按分することで、委託した全組合員が分担して全額負担」すなわち、全農は売れ残った分の対価は一切負担せず、何の責任もとらないという、普通のビジネスでは想像もできないシステムが長年行われているのです。
自立を目指し努力する農家をサポートできる農協改革の実現が待たれるところです。