16年11月/収穫作業が終わり一段落
感謝!作況指数104の「やや良」。今年も良い収穫でした。 【 PDF版 】
我が家の稲刈りは、付近の仕事が早い農家より10日余り遅れて始めましたが、先月20日までに今年の収穫は無事終わりました。
途中で何日か雨などで中断したものの、ぬかるみでコンバインが沈車するアクシデントや機械の故障などの大きな障害もなく作業はすこぶる快調に進みました。
異常気象が続く昨今ですが、当地秋田の稲作期間中は予想外の好天に恵まれ、単位 面積当たりの収量は昨年よりわずかに落ちましたが、作況指数104の「やや良」となったと農水省は発表しています。
我が家の作柄は、籾で保管するため正確には判りませんが、農水省の発表と同じ傾向ではないかと思われ安堵しております。
学校が休みの日曜日などの稲刈り作業は、3人の孫たちも田んぼで大はしゃぎ。一番上の孫は小学3年生になりだいぶ落ち着くと共に、憎まれ口を言うようになってきました。
ところで、我が家のお米は、今年もイネカメムシによる斑点米が少し混ざることがありますが、どうぞご理解をお願いします。
夏に農薬を2,3度散布すれば防げますが、我が家のような有機栽培では栽培期間中もその前後も病害虫農薬は一切使いませんので「色彩選別機」導入までは実に困りものでした。
色彩選別機は、均一に落下させた米粒をカメラで覗き、色の付いた米粒を1粒づつエアーで吹き飛ばすという精密装置です。この機械は2,30年前に開発販売が始まりましたが、当初は1億円する高価で、大きな精米工場向けのものでした。
しかし、5,6年前から2,3百万円程度と一般農家でも入手できるようになり、我が家も早速購入しました。液晶テレビが6,7年で10分の1の値段になったのと同じです。
IT技術の進歩は目ざましく驚きです。でも、完全な除去とはならず、少しは斑点米が混ざることもありますのでご了承お願いします。
収穫作業が終わり一段落。味もまずまずでホッとしています。
我が農舎がお届けしている「あきたこまち」は、腰があって、粘りが強く、お弁当やオニギリなど冷めても美味しい特徴があります。
収穫を直前に控えた9月、黄金色に輝く我が家の無農薬田で、孫たちがオニギリと写真撮影。
この撮影から2週間後、稲刈りを始め、乾燥、モミスリ、精米を行って、ドキドキしながら今年の新米を試食しました。
一昨年は、最後の味が決まる時期の、8月下旬から9月下旬までの間、30℃を超す日が出るなど暑い日が続きました。
その結果、丁度この時期に雨天続きで日照時間が少なかった年のお米の品質と同じように、澱粉が固まらない、コシヒカリのような、口当たりは好いが、柔らかくて腰のない、グチャ、グチャしたコクのないお米になりました。
今年の夏も、いつまでも暑く、一昨年の再来かと心配していましたが、結果は、昨年同様のほぼ満足できる仕上がりとなりホッとしています。
ところで、最近は品種改良が進んで、ほとんどの品種が新米の時期はどれもほぼ美味しくなりました。でも、翌年の梅雨を越すころから急激に味が落ちるお米が多くなりました。
ところが「あきたこまち」は、新米時期も美味しいが、翌年の夏を過ぎても「味が落ちない」さらには「収穫後月日が経つとコクが出る」という特徴・利点があります。
この特徴は、新米のご飯と昨日まで食べていた昨年産のご飯の味の差を縮め、新米の味の感激を抑えるという皮肉な欠点になっています。
このように、ご飯の味は、品種の特性とその年の天候に左右されますが、栽培方法や乾燥、貯蔵、精米方法によっても、折角の品種特性を台無しにすることがあります。
数年前に政権交代して民主党政権が生まれた時、農政の手法が大きく変わりました。政権交代の効用も各分野で認められる点もありますが、農政にとってはマイナスばかりでした。
民主党農政は、遊んでいても所得補償で金を与える。その上で、さらに頑張って収穫量を増やせば、それに応じて段階的に補助金を増加させるなど、農民を金で釣るばら撒きなど票集めのための農政を行い、農民の自立の芽を見事に摘み取りました。
この時期から、私たちの付近でも農薬と化学肥料の多使用が横行するようになり、この数年、お米の反収も急激に上がり、800Kgを超す14俵という記録が続出しています。
このように栽培されたお米は、やっぱり美味しくありませんし、環境にも問題です。
下の写真は、今年試作した自作の無農薬栽培用の除草道具です。来年はさらに改良を重ねたいと思っています。