13年2月/雪国と車

今年の冬は雪が多いです。 PDF版

八郎湖のワカサギ釣り 2013.01.24
八郎湖のワカサギ釣り 2013.01.24

今年の秋田の1月は、ほんの数日晴天の日があっただけで、ほとんど毎日雪模様でした。 道路はアイスバーンでツルツル、5メートル先の車のテールランプも見えない地吹雪に襲われる場合も時々あります。

先日首都圏にも雪が積もり、交通が大混乱した。という報道がありました。 でも、私たちの雪国では、雪になれて、よほどのことでない限り、日常生活の上では気にならなりません。

それよりも一昨年まで、雪がほとんどない冬が続いた時の方が「この地球はどうなるのか」と精神的なダメージが大きかったものです。

それでも、1週間も10日も太陽の顔を拝めない日が続き、たまに晴れわたった日が来ると、野外で活動したい衝動に駆られる人が多くなり、我が村を取り巻く湖には、氷上のワカサギ釣りが賑やかになります。

ところで、秋田など雪国の一般のお米作りの農家の場合、稲刈りを終えると、お米はモミのまま農協のカントリーエレベーターに持ち込みます。次は、雪解けまで農作業は何もありません。このため、高度経済成長期には、農家の親父は首都圏の工事現場などに出稼ぎに行っていました。 でも最近は、出稼ぎ先もなく、住宅廻りの除雪以外にほとんど仕事をしていないのが実情です。

しかし、我が農舎は、毎日のように倉庫周辺の除雪、お米の精米や出荷など冬期間も仕事に追われています。 それに加えて、夏場に手が回らない、精米設備や夏に使う除草機の整備や改良など、電気工事や溶接、配管などほとんど自前で行う主義ですので仕事は一杯あります。

でも、稲の生育に合わせて、速やかに作業をこなすことが要求される重労働が強いられる夏場と違って、冬の仕事はマイペースで行えます。 あれこれしている間に、直ぐに春がやって来る、楽しくて短い雪国の冬を満喫しています。

 

雪国と車:雪に強い車選び

今年は久しぶりに雪の多い冬です。車で雪国を訪れる方もいらっしゃるでしょう。 その場合に参考になればと思い「雪国と車」の話を取り上げてみます。

これらの情報は、ネットの書き込みに数多くありますが、私の経験や認識からすれば、ネット情報は車マニアの思い込み主張が多いように見受けられます。

先ず始めは、私たち秋田の人間が、冬に新潟に向かうと「雪の質」の違いに驚きます。

秋田よりも新潟の積雪量は多いですが、除雪管理されている高速や主要国道においての車の運転は、新潟に入るととても楽に感じます。

秋田の沿岸部以北の雪は、積雪量は少な目ですが、真っ白な軽い雪で、道路脇に除雪された雪の山と、道路面に薄く積もった雪の高低差が認識し辛く、道路幅が判らなくなります。

路面もツルツルのアイスバーンになり、また、軽い雪ですので地吹雪で5メートル先も見えなくなる時もしばしばあります。

これに比べると、新潟は、雪の色も灰色掛かった暖かい雪です。 このため、高低差や幅員はハッキリと認識できて、また、アイスバーンや地吹雪もほとんどありません。

ところで、冬の車の運転は、大雪で道路の通行止めや、車輪が雪に埋まって動けなくなるなど色々な障害があります。 でも、これらのアクシデントは、脇道に入らない限り(高速道路や主要幹線道は徐排雪されている)遭遇することはほとんどなく、例え遭遇しても人身事故にはなりません。

こような雪質の地域で、脇道に入ったり、スキー場の駐車場によく行く場合は、四輪駆動車を選べば、2駆車の数倍の威力を発揮し解決します。(脇道に入らないなら2駆で十分。)

しかし、冬道で一番恐ろしいのは、対向車線や路外に飛び出して人身大事故になるスリップ事故です。 「四輪駆動車はスリップ事故に強い」と思っておられる方が多いようですが、この思い込みは大きな間違い。 一番危険なスリップ事故防止には、4駆の優位性はない。4駆の方がかえって危険な場合もあります。

さて、秋田のアイスバーンの道路は、夏用の靴では、歩いたり立つことも難しいほど滑ります。そして、秋田ではほとんどが2駆の車。人が歩くのが困難なそのツルツルの道路を、地吹雪でない限り夏とほぼ変わらない速度で、冬場も毎日車は流れています。

急ブレーキ、急ハンドル、急加速を避けることは当然のこと、アクセルを急に緩めることも避けるなどの運転技術を身に付ければ、2駆のスタットレス装備で意外と大丈夫です。

一番大事なことは、2駆ならどの車でも良い。と言うのではなくて、スリップに強く、安定性の高い2駆の車を選ぶことが必要です。

また、最近は、急ブレーキを踏み込み続けても輪がロックしないように、自動的にブレーキを断続させるABS機能やバランス性能の良く横ぶれしない車が増えて来たようです。 しかし、私の経験や、車に詳しい人の話を総合すると、今でもメーカーや車種による性能差は著しいようです。 ここで、どのメーカーの車が強いかという具体的な名前は、差し障りがあり、残念ですが挙げられません。

いずれにしても、「雪に強い車選び」は、先ず最初に、同じ雪でも、使う所の雪に合った車選びに気を付けること。次ぎに、可能なら、雪国で、メーカー各社の各車種を、厳寒期の深夜の凍結路を乗り回している、飲屋街の代行車を運転している方々のお奨めを聞くことが一番です。