このたびの東日本大震災および、福島第一原発事故の被害にあわれた皆様に心からお見舞い申し上げます。
今回の事故による放射能汚染で、原発周辺の農産物への被害なども出ていますが、10月以降の新米出荷開始に向け、現在の当地(秋田県・大潟村)の状況と、黒瀬農舎で対応をご案内致します。
なお、放射能関連の情報は、会員様にお届けする提携米通信でもお知らせしますが、最新の状況や検査結果は、ホームページでもご案内致しますので、ホームページもご確認ください。
◆当地の状況
当地は幸いにも事故現場から約300km離れており、また、事故時期が冬型の気圧配置時期の北西風の強い時期のお陰で、秋田県への放射性物質の飛散は限定的でした。
但し、原発事故が完全に終息していませんから、今後も再爆発などに充分な注意が必要です。
これまでの秋田県による放射能調査の結果(大気、農産物など)は以下の通りです。
1.大気中の放射能の秋田県における推移
秋田県の空間放射線量(秋田市内のモニタリングポストで常時計測)は、事故日以降最大でも0.060マイクロシーベルト/時(8月12日現在 0.036マイクロシーベルト/時)で、事故以前の通常時(0.022~0.086マイクロシーベルト/時)と比べても変わりはありません。
2.農産物などの汚染
県がホウレンソウ他、各種の詳細な検査結果を公表していますが、いずれも検出限界以下です。
(検出限界1.3Bq/kg ※品目によって多少検出限界値は異なる)
=大潟村における土壌検査=
大潟村の田んぼの土壌は、消費者組織が6月~7月にかけて2地点の土壌で検査を行い、ヨウ素131、セシウム134、セシウム137のすべてが、2地点とも検出限界以下(検出限界:1Bq/kg、測定者:同位体研究所)となっています。
なお、放射性物質が濃縮される下水処理汚泥などでは多少検出されているため影響が皆無とは言えませんが、現状の農産物や田んぼの土壌検査の結果を見る範囲では、当地では、今年収穫される米に影響を及ぼす放射能汚染は発生していないと思います。
しかし、今後も県などの検査状況を注視すると共に、万全を期すために自主検査などの対策を行う予定です。
◆23年産米(新米)の出荷および放射能検査について
23年産米の出荷は、放射能検査を行い、検査結果を開示したうえで出荷を行います。
現在、国の農産物の「暫定基準値(コメの場合は500Bq/kg)」は諸外国から比べると高く、国の暫定基準値以下であれば安全と言い切れないため、暫定基準値を下回った場合も、検査結果の数値はすべて開示します。
具体的な検査方法(サンプル数など)は、今後の県やJAなどが行う周辺での事前検査の結果や、大潟村での田んぼの土壌やコメの検査結果などを踏まえて検討します。
より安心できる検査体制とするため、検査体制や検査方法について、気になる点や、具体的なご提案がありましたら是非黒瀬農舎までお知らせください。
なお、23年産の我が家のあきたこまちの出荷は早くても10月10日頃からとなる予定です。(天候によりさらに遅れる可能性もあります)
=来年以降の検査体制について=
来年以降も、土壌への放射性物質の蓄積の可能性や、有機質肥料などによる汚染を防ぐために、継続的に検査を行います。
検査は、収穫後のコメだけでなく、土壌や有機質肥料などの資材なども行う予定です。
(23年産米に使用した肥料は、事故以前に作られ、事故当時には屋内保管されていたことから汚染の心配はありません。)
◆22年産米(古米)の買い溜め・保管
これまでの秋田の空間放射線量や大潟村の田んぼ土壌の検査結果から、今年収穫される黒瀬農舎の23年産米から高い値の放射線が検出される可能性は低いと予測されます。
従って、一部で22年産の買い溜めなどが報道されていますが、22年産米を買い溜めする必要はないと思います。
現在の他地域の土壌や早場米の検査状況を見る限り、広範囲で汚染米が出てコメ不足になる可能性は低く、また、放射能汚染以外の異常気象などでコメ不足となった場合は、原則として新規のお客様をお断りして、従来の会員様へのお届けを優先しますので、その点でも買い溜めは不要です。
但し、現状では事故が終息していないことから今後再爆発があった場合などに備えて、念のため22年産をご自宅で保管したい場合は以下の点をご注意ください。
1. 真空包装でも真夏の高温では品質が劣化することがあります
22年産のお米をまとめてご希望の場合は、我が家の低温倉庫で保管し、涼しくなってくる9月下旬(23年産新米出荷直前)にお届けすることも可能です。
ご希望の場合は、必要数量などを先にお知らせ下さい。
2. 真空包装の空気漏れにご注意ください
輸送中や保管中の衝撃などで空気漏れしている場合があります。
袋が柔らかくなっている場合は、空気漏れして、真空包装のメリットは失われて、長期保存には向きません。空気漏れしている袋からご使用になるようにして下さい。
また、到着時に多くの袋が空気漏れしている場合は、交換などの対応をさせて頂きますので、到着後すぐにご連絡下さい。
但し、到着後時間が経ってからの空気漏れによる交換はご容赦下さい。
※真空包装の品質保持期限
我が家の真空包装は、毎月または2~3か月ごとに定期的に購入していただく会員様向けに、その間(最大2~3か月程度)にできるだけ美味しく召し上がって頂くことを目的としています。
従って、半年~1年単位での長期間の保管を想定した包装ではありません。
我が家で食味テストをして確認した限り、30度を超える高温での保管をしない限りは、1年程度大きな味の劣化はありませんが、長期間の味や品質を保証するものではありませんのでご了承ください。
(お米は生鮮食品ですので、味がおかしいなどの理由での返品・交換は、到着後2週間に限りお受けします)
新米の放射能検査について
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放射能関連FAQ