TPPで日本の米農家は壊滅か?(その1)

先日、TPP参加を容認すると書いたら、ブログを見た人から
「TPPのための対策は何かしてますか?」と聞かれた。

『TPPによる米の需給や価格の動向が未知数なので・・・』と答えてみたが、自分自身も気になったので、米の国際価格などを色々と調べてみた。

◆国産米価格は国際相場の5倍?

農水省のデータによれば、米の国際相場は、1俵(60kg)換算にすると32ドル(2,600円/80円換算)
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/jki/j_zyukyu_kakaku/index.html

国産米が1俵1万3000円とすると、日本は国際相場の5倍となる。

しかし、これはタイ米(長粒種)の相場で、日本人向けの短粒種の価格ではない。

そもそも、「TPPで国産並みの味の輸入米が10kg1,000円以下で店に並ぶ」なんて騒いでいる人がいるが、そのような美味しい米は中国国内でも10kg1,200円、アメリカなら10kg2,000円を超えているのである。

とりあえず、国産の”5分の1”の価格では輸入米は販売されない

◆輸入米は1俵8,500円!!

では、日本人の口にあう米はいくらぐらいなのか?ということだが、そのような米の国際相場は存在しない。

そこで、各国の小売価格と日本の小売価格との差や、

現在、輸入米(SBS米)の価格(1俵10,000円)などを含めて推測すると、
関税が撤廃された際に一般的な日本人が「普通に食べられる輸入米」は1俵8,500円前後ではないだろうか。

小売価格は、5kgで1,300円前後。(流通や包装の経費を付加して)

つまり、仮に国産米が輸入米と同じ価値・価格となると、
国産米の米価も8,500円、小売価格は5kg1,300円なのである。

これは、価格差は1.5倍、今の国内米価から見れば3割の価格下落

では、米価が3割下落して米作りが成り立つだろうか?

◆8,500円の米価で米作りが成り立つか?

結論から言えば非常に難しい。

農水省のデータによる全国平均の生産費を見ると、経営費(家族労働費除く)は1俵あたり9,800円。

規模別にみても、3~5ヘクタールで、8,500円。
大潟村のように大規模な15ヘクタール以上でも7,900円

ここには本人や家族の人件費が含まれない。
8,500円なら1俵あたり600円の粗利だが、
合計で80万円ほどの所得(=生活費)では飯が食えない
(仮に米価9,000円でも所得150万では飯が食えない)

その結果、日本の米作りは崩壊することとなる。。。
   。
   。
   。

って、そんな単純な話なんだろうか?

(その2)に続く・・・

—-
ここの根拠となる輸入米米価8,500円は、個人的な推測です。
様々なデータを元に推測したもので、まったく根拠がないものではありませんが、推測したのが素人ですので、正しいとは限りません。ご了承下さい。

日記・雑記の最新記事8件