きりたんぽ不要論

最近、偶然かもしれませんが県外に住む複数の知人から「きりたんぽ鍋は美味しいけど、別に”きりたんぽ”要らないよね」と言われました。
「きりたんぽ鍋」のダシの味や具材は美味しいけど、中に”きりたんぽ”が入っている必要はない(もしくは邪魔)ということです。

実は、秋田の人間は”きりたんぽ”が入ってこそあの鍋が完全な鍋だと思っていますが、よくよく考えてみると鍋の味自体は比内地鶏のダシとゴボウなどの野菜の旨味から作られていて、別に”きりたんぽ”自体は鍋の味を作ってはいません。

つまり、“きりたんぽ鍋”という名称だから、”きりたんぽ”が主役で欠かせないモノだと思っているだけで、別に”きりたんぽ”がなくても美味しい鍋となるので、”きりたんぽ”は(味の)主役ではないのです。

「そうは言っても、鍋の旨味が滲みこんだ”きりたんぽ”は美味しいでしょ」と思うかもしれませんが、ダシがウマいので、別に〆にウドンや餅を入れたって、雑炊にしたって美味しいはずですし、一般的な鍋は、ご飯(麺類)モノは〆に雑炊やうどんにするのであって、最初から鍋の具材と一緒に食べるようなきりたんぽ鍋のようなスタイルはあまり馴染みがないのかもしれません。

従って、鍋の味を作り出しているのは比内地鶏のダシなのですから、「比内地鶏鍋」といった方がいいのかもしれません
それでは”きりたんぽ”があまりに可哀想というなら「比内地鶏鍋(きりたんぽ入り)」「比内地鶏鍋withきりたんぽ」でも良いですが。


最後に一応フォローしておくと、(日持ちさせるために真空パックしたのではない)通常包装の”きりたんぽ”を煮込みすぎずに作った”きりたんぽ鍋”の”きりたんぽ”とても美味しい具材だと思います。

ちなみに、秋田県人は「きりたんぽ」に対して並々ならぬ愛情を持っており、「きりたんぽが要らない」なんてことを余所者に言われたら怒り出す可能性もあるので、軽はずみな発言は慎みましょう。
(秋田のタクシーの運転手も、最近「きりたんぽが要らない」と言われたと憤慨していました(笑)。)

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