スーパーのオーガニックコーナー

最近は、大手スーパーも「オーガニック(有機栽培)」の商品の取り扱いに力を入れています。

イオンなどは有機栽培の野菜の棚を作ったり、加工品などもオーガニック専用で棚を用意したりしています。

有機栽培(オーガニック)とは、農薬や化学肥料を使用しない栽培方法のこと。

さらに、農産物や加工食品に「有機栽培」「オーガニック」と表示して販売するためには、農薬や化学肥料を使わないことに加えて、第三者機関の認定機関から確認をしてもらった上で認証(有機JAS認証)されないと「有機栽培」「オーガニック」と表示することはできません。

ただ、有機農産物(認証取得分)の栽培面積は全体のわずか0.2%と微々たるもの。したがって、オーガニック、有機栽培自体への理解も進んでいません。

その結果、こちらは先日近所のスーパー(イオン系列)で見かけたのですが、「オーガニック」と書かれた棚。

2016102201

こちらに主に外国製の有機加工食品が並んでいますが、その中に国産の煎餅があります。

しかし、こちらの煎餅は残念ながら有機加工食品ではない、特別栽培米で作った煎餅です。
※特別栽培米とは一般的に、農薬や化学肥料を普通より減らして栽培したお米で、農薬や化学肥料をまったく使っていないわけではありません。

2016102202

別にお店側がお客さんを騙すつもりがあったわけではないと思います。
現場の感覚として、オーガニック=有機認証を取得していないといけない、ではなく、オーガニック=体や環境に良い商品群ならOK、程度の認識なのだと思います。

もう少し生産者も流通業者も消費者も、すべての理解がもっと深まってくれればいいな、と思います。

 

補足ですが、この件について、(棚への陳列は見直すべきだと思いますが)ことさらイオンを批判するつもりはありません。
むしろ、大手流通の中では、オーガニックや有機食品の扱いを増やそうとしている方だと思いますので、その店は評価すべき部分ではあると思います。

また、余談ですが、現状このようなオーガニック食品の売り場を見ると、加工品の多く(ほとんどと言っても過言ではない)は、外国産有機農産物です。
これは、そもそも国内に0.2%しか生産量がないことも一因ですが、消費者が購入しようと思う価格帯にするには、値段の安い外国産の有機農産物になってしまうからと言うのも大きな原因だと思います。

オーガニック、有機栽培は、農薬や化学肥料を使わないことが(それを気にする消費者に対して)安心できる商品を提供している、と言う面もありますが、それとともに農薬や化学肥料を多用することで環境負荷が高くなることを少しでも下げて持続可能な生産を目指すことも目的としています。
したがって、環境負荷を減らす有機農業をしつつ、それを流通させるために遠くから運ぶということには多少矛盾を感じざるを得ません。

そのような意味でも、オーガニックがさらに普及する過程で、国産や地域内の有機農産物、有機加工品が増えて、国内、地域内でまかなえるようになればと願っています。

日記・雑記の最新記事8件