今回、ご縁があって群馬県昭和村の「野菜くらぶ」さんにお邪魔することができました。
日ごろの行いの良さから、あいにくの雨でしたけれどもね…。
野菜くらぶさんは、群馬県昭和村の農業者団体で、約70軒の農家(農業法人)さんの野菜を取りまとめて生協や外食、スーパーなどに販売している組織です。
今では群馬だけでなく、静岡や青森などにも生産者や出荷場を持ち、産地リレーでの通年出荷などにも取り組んでいます。
今回は、生産現場ではなく、主に、事務局として農産物の取りまとめや販売、出荷などを行う事務局機能を中心に視察させてもらいました。
まずは朝から事務所にお邪魔し、朝礼から参加(見学)。
朝礼は、企業理念の唱和からはじまり、各社員がその日のお題について意見を発表、さらに、それを他の社員が要約した上で、感想を述べる、と言う形。
ただ形式的にお題目を唱えて終わりではなく、社員が考える(力をつけられる)朝礼です。
農業関係の方々のお話を聞くと、野菜くらぶさんの人材育成(研修・独立制度)には定評があるのですが、研修生や新規就農者だけでなく、社員さんの教育も立派にされているんだなーと実感いたしました。
その後、会社のご紹介など頂き、出荷場や選果場、また関連会社のグリーンリーフさんのこんにゃく工場や漬物・冷凍野菜工場なども見学。
こんにゃく芋もこんにゃく加工についてもまったくの知識がない中、根掘り葉掘りシロウト質問を連発してしまいました…。
野菜くらぶ(の業務)は、基本的には生産者団体の販売部門の事務局組織であって、栽培や技術などは参加する生産者による部会が中心のようです。
事務局は、各部会の通年での栽培計画の立案時に前年の販売状況などから生産者同士の栽培量・時期の調整などを行うアドバイスをしており、また日常業務としては、販売先からの発注に応じた出荷量のコントロール、調整(発注前の翌週以降の出荷見込みの確認なども含む)といった業務、また実際の集出荷業務を行っています。
ちなみに、農家が主体で、その調整が業務と言うと、サブ的動きで楽そうにも思えますが、農家の中で動くとわかりますが、様々な考えを持ち個性的な一国一城の主である農家のとりまとめをするのは、相当大変な仕事です。
正直、事務局が主体となり「あれを●個×月収穫で作れ!黙ってやりやがれ!」と指示する方が100倍楽だろうと思います…(笑)。
それを、生産者の自主・自立をしっかりとさせるために、事務局は裏方に徹徹すると言う、野菜くらぶさんの方針、そして徹底して裏方で完全な仕事をされている社員の皆さんの仕事の素晴らしさは、短い時間の中でしたが感じ取ることができました。
繁忙期の最中に見学させて頂きありがとうございました。
—
さて、秋田は農業生産額の6割がコメであり、米価の下落とともに農業生産額がどんどん落ちる、農業県としては厳しい状況です。そのため、複合経営や野菜の栽培などが今後の農業経営でも重要になってくると思います。
そのような中、秋田は、群馬と比較にならないほど大消費地の首都圏と距離があり、営業や物流を農家単独でやるにはハードルが高い地域だと思います。
そのため、今後本格的に野菜の栽培、販売を行っていくのであれば、野菜くらぶさんのような生産者団体での取りまとめが重要になってくるのではないかと思います。
もちろん、生産者団体としては「農協」がすでにありますが、農協にも頑張ってもらい、また民間でも生産者団体があることで、様々な栽培、販路で秋田の農業が強くなっていけばいいんじゃないかと思うのです。