地元の農家が共同で有機質肥料の共同購入をしていますが、昨日、今年の肥料の納品が完了しました。
ここ数年トラック業界の減車の流れなどもありトラックの手配がうまくいかず納品が多少遅れ気味になっていましたが、今年は早目から調整を始めたことで皆さんの播種、育苗、本田用に間に合うように納品できました。
今年は全部で大型トントラック13台。
結構な台数ですが、おそらくピーク時の半分近くまで減ってきています。
有機質肥料を使っていると言っても、全員が有機栽培(無農薬栽培)をしたり、特別栽培米を作っているわけではなく、一般的なお米を作る農家さんも有機質肥料を使っていました。
「有機質肥料を使えばお米が美味しくなる」と言う単純な話しではありませんが、化成肥料を使う場合でも、堆肥や有機質肥料による土作りと併用することで食味や品質の向上を目指して頑張ってる農家さんが多くいます(いました)。
それは、たとえ農協や集荷業者に出荷する(=食味が直接評価されることは少ない)場合でも、稲作専業農家として少しでも美味しいお米を…という農家のこだわり/プライドであったと思います。
しかし、近年の米価下落で、収入に直接結びつかないそのようなこだわりを続けられるような余裕がなくなってきてしまいました。
また、加工用米や新規需要米といったゴハン(白飯)として食べないお米も増えているため、なおさらその傾向(品質よりもコスト重視)が強くなっているように思います。
我が家のようにお米を消費者に直接販売している、または米屋さんや飲食店さんなどに味を含めた品質で販売している農家は、これからもコストをかけてでも味にこだわる必要があります。
しかし、それ以外の一般的なお米は、これからますますコスト重視の方向に向かうでしょう。
それは、「有機質肥料を使うかどうか」だけでなく、様々な省力化、低コスト化技術なども含め、(直接金銭的な評価がされない)味は二の次で、コスト削減や所得アップを目指す方向で導入される向かうのだと思います。
逆に言うと今までは、価格などで評価されなくても農家がこだわると言う意味で無駄に品質が良かった、と言えるのかもしれません。
それが今後は、「価格相応の品質」と言う、当たり前と言えば当たり前の世界になるだけなのかもしれませんが、いずれにせよ、今までより一般的な(平均的な)お米の味は落ちていくのではないかと思っています。
お米好きとしてはなんだか寂しい限りです。
[追記(補足)] ※誤解を招くと言われたので、補足します。(2015.4.13)
「米価が下がったから、米農家が手を抜く」と言いたいわけではありません。
これまでは、仮に味などが評価されない(=味が良くても農家の手取りは変わらない)販売方法であっても、農家のプライドとして手間暇、コストをかけて美味しいお米を作るように努力する農家が多かったと思います。
しかし、今回の米価下落で、コストをかけると生活が成り立たない状況になってしまったために、コストがかかる部分は削らざるを得ません。
それでも自分の労働などコストの発生しない部分(=手間暇)でカバーできるところは農家の意地で今まで同様か今まで以上にとして頑張ると思いますが、それでもコストが発生する資材や農機具などを削る以上は、品質(味)にも影響が出るのではないかと言うことです。