日本人の食生活(米飯)の変化の話題になると「昔は家でお母さんが握ってくれるのが当たり前だったおにぎりが、今ではコンビニで出来合いのおにぎりが売られるなんて…」と言う話がよく出てきます。
その発言をする人の思いとしては、古きよき日本文化が損なわれることのコンビニのおにぎりに対するマイナスイメージとなっているケースが多いと思います。
しかし、コンビニおにぎりが生まれなければ家のおにぎりが今まで通り作られ続けていたか、と言われればそんなことはなく、おそらくコンビニの菓子パンやサンドイッチなどに置き換わっていただけだろうと思います。
つまり、コンビニのおにぎりが生まれ、そしてコンビニ各社の努力によって美味しさが進歩してきたことは、米の消費量の減少を多少なりとも緩やかにした功績があるのではないかと思います。
そんなわけで、現在のコンビニおにぎりの販売量と日本国内の米の消費量におけるシェアなどをざっくり調べてみました。(誰にも頼まれてないけど)
■コンビニ店舗数
色々なチェーンがありますが、とりあえず上位7社で計算したいと思います。
セブンイレブン 16,375店
ローソン 11,716店
ファミリーマート 10,581店
サークルK 3,413店
サンクス 2,838店
ミニストップ 2,165店
デイリ-ヤマザキ 1,578店
合計 48,666店
※ 2014年3月末店舗数(出典)
■おにぎりの販売数
各チェーンの正確なデータがなかなかありませんが、セブンイレブンは年間18億7600万個(2014年2月期)だそうです。(出典)
従って、セブンイレブン1店舗あたりだと、年間116,800個(1日320個)のおにぎりを売っている計算となります。
ただ、セブンイレブンはおにぎりなどに力を入れていることや、1日あたりの店舗の売上も他のチェーンより2~3割多いことなどを考えると、単純にセブンイレブンの数字を他に当てはめるわけには行きません。
※コンビニ各チェーン別の1店舗当たりの日販額(2011年度)は、セブンイレブンが67万円、ローソンが55万円、ファミリーマートが53万円、サークルケイサンクスが49万円
他のチェーンのおにぎりの販売量は、古いデータですが、2008年のローソンの販売量は1日200個ほどで、ほぼ同時期(2007年)セブンイレブンの2007年データでは300個なので3割ほど少ないです。(出典)
という事で、公表されているセブンイレブンの数字を元に、ローソンは3割減、他社は4割減で推測したいと思います。
※ローソン以外を4割としたのは、セブンイレブン、ローソンより日販が少ないため。
◎1日の販売数量
セブンイレブン 16,375店×320個 =5,240,000
ローソン 11,716店×(320*0.7=224)個 =2,624,384
他5社 20,575店×(320*0.6=192)個 =3,950,400
合計 11,814,784個
日本人の10人に1人が食べてる計算の1日に約1千2百万個!!のおにぎりを売ってるわけです。
という事で、おにぎりの数を推定したところで、ここからはご飯やお米の量を求めていきます。
◎ご飯・お米の量
コンビニおにぎり1個のごはんの量は約「100g」。これを炊く前の白米量に換算すると45g。
つまり、コンビニおにぎりで使われるお米の量は、、、
-1日のお米の量 531.66トン
-1年間のお米の量 19万4千トン ※いずれも白米換算
■まとめ
コンビニおにぎりでのお米の年間消費量「白米19万4千トン」は、(精米する前の)玄米に換算すると「21万5千トン」となります。
日本のお米の年間消費量は700万~800万トン(玄米)と言われていますので、
日本国内のお米の消費量の2.6~3%程度がコンビニおにぎりで消費されている計算となります。
ということで、もう少し大きい数字になるかと期待し頑張って推計してみた割には3%程度と言うあまりインパクトのない数字になってしまいました…(笑)。もちろん、コンビニのおにぎりだけでそれだけの量を使っていると言うのはすごいんですけどね。
ちなみに、この数字を他と比較すると、こんな感じになります。ご参考まで。