先日、秋田市内の本屋さんに新刊として並んでいたので買ってみました。
タイトルの「農業超大国アメリカの戦略」通り、アメリカの農業政策・制度・実情が一通り理解できる内容だと思います。
本の帯には「TPP交渉参加へ」なんて書いてますが、内容的には別にTPPに直接触れる部分はあまりありません。(TPP絡みだと思って読むとあまり価値がないと思います)
目次を順に追っていくと(目次のタイトル通りではありませんが)、
アメリカのフードセキュリティ、モンサントなどの種子ビジネスの現状、アメリカの州立大学を中心とした産学連携や4Hクラブ、大型農機メーカー、アメリカの農業政策、カーギルなどの穀物商社の実態、となっています。
アメリカでは、農業政策、大学・産学連携、民間企業(穀物商社、農機メーカー、種子メーカー)などが、一貫した統一的な連携があるわけではないのに、それぞれが自分たちがやるべき道を目指した結果、結果的にすべてが同じ方向を向いてアメリカの国益に適うものになっている、と言う強さがあるようです。
ここあたりは、産業政策ではなく保護主義的な政策となり、農家はもちろん研究機関、関連企業までどこを向いていけばいいのかわからなくなっている日本よりはよっぽどわかりやすいんだと思います。
アメリカ農業の実情を一通り知る上では読んでおいて損はないと思います。
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