最近、「TPPってどうですか?」なんて話しを久々に振られた。
なんかここ数年冬場になると何度も同じような話しが出ては消え…と言った気がしないでもない。
また、これから何度もそんな話しをする機会が増えるのかなぁ~。。。
ところで、
「『TPPで日本の農業を元気に!!』、『TPPで農産物輸出をして日本農業再生!!』という事で、TPPに賛成する農家がいる」と言うお話し。
輸出するのはいいと思うし、どんどんやればいいと思うんですけど、農産物輸出ってTPPに参加しないとダメですか?
例えば、自分に直接関係あるお米。そして、TPPで名前が出ているアメリカを例に取ると、
◆アメリカの関税
玄米・短粒種 2.1 セント/kg
精米・短粒種 1.4 セント/kg
こんな感じみたいです。
1kgあたり約2円。米農家が理解しやすい60kg(1俵)だと120円。
一方、国産米の相場は60kgあたり13,000円前後なので、アメリカの米に対する関税率って1%にも満たないわけです。
そうなると、
別にTPPに参加しなくても1%程度の関税なら輸出できません?
1%程度の関税なのに、なぜ今は農家は輸出してないの?
TPPに参加してこの1%がなくなったら、急に輸出が増やせるの?
なんて思うわけです。
こんなこと書くと、(関税が低いのに輸出しないって)日本の農家はバカでアホで、やる気がないから輸出なんてしないんだ、って思ってるのか?って言われるのかもしれません。
でも、そうじゃないんです。
もし仮に売れるなら農家がやらなくても商社が大々的に海外輸出をやっているはずです。
もちろん今でも多少やってますが、そんな微々たるレベルではなく、日本の農業が元気になるぐらいの規模でやっているはずです。
それすらなく、なんで輸出できない(輸出が少ない)かと言えば、
関税以前に、国内での生産コストが海外の市場価格とあわなかったり、そもそも日本米に対するマーケットがそんなに大きくないなど、関税とは別の問題があるんだと思うんです。
だとすれば、TPPに参加することが直接日本の農産物輸出を増やすきっかけにはならないと思うんですけど、違うんですかね?
アメリカ以外の国や米以外の品目で、今はべらぼうに関税率が高いので、TPPに参加したら絶対に輸出が増える、それで日本農業が強くなる、っていう農産物があるんでしょうか?
あればぜひ、教えて下さい。
追記:
誤解があると困るのですが、(日本の農業を救うほどの規模になるかはともかくとして)個人的に農産物輸出に可能性がないとは思ってません。
ただ、中国が安い農産物を輸出するのとわけが違い、日本のコスト高や品質を考えると高付加価値戦略になると思っています。
その場合、関税の有無以上に、むしろ販売戦略(マーケティングや広告・ブランディング)が重要になってくると思っています。
つまり、販売戦略の確立などTPP参加の有無とは関係なくやるべき重要なことがあるわけで、TPPに参加したから関税が下がって売れると言うものではないと思っています。