先日の有機農業関連の研修会で、有機JAS制度に関する話しが出ました。
こちらが有機JASマーク。
国の定めた基準で栽培し、尚且つ第三者である認定機関によって毎年、現地や書類等の監査などを受ける事でこちらのマークを付けることができます。
この手続きを踏まないと、「有機栽培」や「オーガニック」と名乗る事はできません。
自分は有機JAS制度が不要だとは思ってません。
流通を通して有機農産物を売るなら、ある一定の基準はあった方がいいと思っています。
それが有機JASであり、あくまでも流通させるための手段であって、生産者の理念とか思想とかとは別に関係ないと思うんです。
今回の会議でも、制度をもっと厳格化しなきゃいけない、ステップアップしなきゃいけない(何年かごとに見直して厳しくしていく)、って意見も出ました。
また、制度上も見直しをすることになっているようです。
ただ、個人的には、そんな必要は別にないと思ってます。
もっと厳格にやりたいなら、制度と関係なく、各生産者が独自に厳格にやればいいだけ。
「俺、地元の自然や地球を守りたいから、有機農産物作るし、有機JASの基準がどうあれ、自然を守るためにできる限り厳しいレベルで頑張る」と言う信念で頑張ればいいだけ。
もちろん「俺、有機JAS取ってるけど、制度以上に厳しくやってるよ。すごいでしょ、差別化でしょ、買ってよ」とう商業ベースな考え方でもいいと思う。
そもそも、所詮流通のための基準だと思ってるんで、
基準を緩くするか厳しくするかなど有機JAS認証をどうするかっていう話は、理念や思想でもなく、生産側が取得しやすいかし難いでもなく、有機JAS制度が消費者に信頼される制度かどうかと言う話で考えるべきだと思うんです。
極論だけど、消費者が「残留農薬さえなければ安心できるからそれでいい」と言うなら、有機JAS基準はそれ(残留農薬ゼロってだけの基準)でもいいかもしれない。※それを有機JASと言う名称で呼ぶのかは別として。
また、資材の使用以外でも、今のような認定機関が毎年現地確認までする必要はなくても、制度自体が信頼されると言うなら、書類審査だけなどもっと簡略化してもいいと思う。
逆に、年に1回現地確認しただけでは信用できないから、定点観測カメラを24時間365日設置しなければならない、という性悪説に立った基準にするべきかもしれない。
ただ、いずれにしても、重要なのは、有機JAS認証がどんなものか消費者に理解され、そして信頼されるような基準でなければいけないと言うこと。
そういう意味では、今の有機JASの基準って、確かに例外規定が多すぎるのでちょっとわかりにくい部分はあるかもしれません。
ただ、実は、、、
そういった細かい例外規定云々以前に、有機JASマーク自体が消費者に認知されてない問題。
少し前のデータですが、完全に理解している人が1割足らず。
と言うか、まったく知らない人が半数以上!!
こうなると、最近流行のマイナーご当地検定レベルではないかと…(笑)
正直、認証制度が信頼される・されない、以前の問題って気もしてます。
(まぁ、消費者が理解してなくても流通業者による生産者・生産物の選択の手助けにはなっているかもしれませんが)
ちなみに我が家は、有機JAS認証は取得していません。
消費者と直接取引が主体ですので、別に第三者に認証してもらわなくても、我が家の栽培方針や考え方を個々のお客さんに説明し、そして納得してもらえれば問題ないと考えているからです。
ただ、有機JAS制度ができて10年。本当は、有機JAS認証・マークがもっと消費者へ浸透し、「有機認証取ってますか?」と言う問い合わせが多数来るかと思ってました。
そんな問い合わせすらないことからも、有機JASが浸透していないのが実感できます。